▼【Free】ディレクター・江神氏より

 この業界、慢性的な人手不足です。
 また、一般的な社会のルールなんて通用する会社はごくごく一部。
 結果、サービス残業はおろか、有給すら使えないような会社はザラな世界です。特に使い物になる技術がない数年は、家畜以下の扱いを受けることもあるでしょう。
 結婚とか、子孫を残すとか、趣味に時間を費やすとか、そんな一般的にまともな生活を求めているのであれば、この業界に入ることはおそらく間違いです。
 一昔前とは時代が変わりました。かつては慢性的に行われていた「泊り込み」すら、最近は減っているそうです。確かに、条件のいい会社がないわけではありません。
 ですが、もしこの業界で人生賭けたいのなら。
 最初の数年、どんな仕打ちを受けても、どんなに夢が遠いと気がついても、
 いつまでたっても楽にならない現実が浮き彫りになっても。
 それでも頑張ろうという気概をもって、ゲーム業界に挑んでください。

 ゲームを作る仕事がしたい。
 おそらく、誰もが一度は思うのではないでしょうか。
 本当にいいゲームに出会ってしまったなら、誰もがその感動を、自分も他人に伝えたいと思うことは当然です。
 ですが、夢を売る為には、相応の実力と運と人脈、そして努力が必要です。
 実力も、運も、人脈も、最初の数年で手に入るものではありません。
 ですが、努力は、誰にでも、いくらでもできます。
 睡眠時間、遊ぶ時間、デートの時間、食べる時間。親孝行の時間。
 全てを捨てて、ただ、ゲームを作ることに繋がることだけに労力を割くこと。
 それが努力です。なにも持っていない人間が、唯一費やせるのは、時間なんです。

 時間を惜しまず、働くこと。働いていないときも、知識を得、情報を求め、
 技術を学び、時間を作り、根気強くただひたすらに進む。
 それができるのなら、おのずと結果はついてきます。
 本当の意味で「自分のつくり上げたものが世に出る快感」を感じられるのは、
 まだ何年も先になるでしょう。
 でも、頑張ってください。
 それができることが、スタートラインに立つための、最低限の条件だから。
 それでも貴方はゲーム業界の扉を叩きますか?

 この業界は、仕事と本気で向き合え、努力が結果に結びつく確率のきわめて高い、本当に本当に素晴らしい世界です。死ぬ気で、頑張ってみてください。

 ※このコメントは、一人の人間の業界経験を元に、
 極めて狭い観点で構成されていますのでご注意ください(笑)。


▼【SEGA】プランナー・樋口氏より

 はじめまして、樋口と申します。
 この文章を読んでいるということから、貴方がゲーム業界を志望しているということはわかりました。
 では、どうしてゲーム業界へ入りたいのでしょうか?
 勿論、思い描く超大作ゲームが作りたい! という熱意があるからかもしれません。
 人へ楽しみを提供していきたいという想いも立派な理由です。
 そしてその中には、自分は誰にも負けないビッグクリエイターになる自信がある方もいるでしょう。
 でも、少しだけ考えてみてください。就職活動という競争をしている中で、忘れがちなことです。
 「ゲームは1人じゃ作れない」
 勿論これはゲームだけに当てはまることではありません。
 いわゆる同人ゲームとして1人だけで作ることの出来るゲームがあることも認めます。
 けれど、ここを読んでいる貴方が作りたいゲームは、発行総数が多くて3桁なんてレベルじゃないですよね。
 たくさんの人にプレイしてもらえるゲームを作るには、それだけたくさんの人が関わってきます。
 今一緒に面接を受けている隣の席の敵も、数ヶ月後には一緒にゲームを作る仲間になっているかもしれません。
 そしてゲーム開発には全然関係ないと思っていた才能を持った友人が、貴方に思いもよらぬアドバイスをくれるかもしれません。(アドバイスやきっかけというのは、総じて考えうる業界外から得られるものの方が多いのです)
 ゲーム業界に入る方法で悩む間に、ゲーム業界に入ってから役立つ人脈を作っておくことも忘れないで下さい。
 役立つ、なんて打算的な言い方はよくないですかね。
 才能があると言われる人たちは、良い意味でも悪い意味でもどこかぶっとんでいる人が多いです。
 その片鱗に触れることは、直接の協力を得られずともどこかで自分にとってプラスになっていたり、ただただ楽しくもあります。
 労働条件が厳しいなら厳しいで、そんなことを忘れるくらい楽しくゲームを作っていけたら良いですよね。
 色んな人と関わって、色んな人とぶつかって作っていくことが出来るのが、ゲーム開発の醍醐味だと思います。
 だから、もしちょっとでも気になった人とお近づきになれる機会があったのなら、全力で逃さないようにして下さい。
 ゲーム業界人だろうが学生だろうがフリーターだろうが、そんなものなんの指針にもなりません。
 貴方のアンテナを信じてその輪を広げていってください。
 そしていつか、その輪に私も加われたら嬉しいなと思います。


▼【元スクエニ】プランナー・加賀氏より

 どうも、加賀です。
 いいですね、この企画。熱くて。それじゃあ、原にあやかって僕からも少し。
 若手から業界に入って、仲間を集めるのってけっこう大変です。
 特に僕のいたようなお堅い会社では、少なくとも最初1年は、ロンリーに過ごすことを覚悟しておいたほうがいいでしょう。
 なにせ新人社員の多くは、昼飯食うのも一人でしたから。
 本当に入ってからびっくりしました。同期とは言えみんなライバルですし、ちょっととっつきにくいというのもあるのでしょうが、それにしても。
 (……もっとも、こういうのは社風にもよるみたいですが。樋口さんから聞いたところだと、SEGAなんかは逆に、みんながみんな懐っこすぎて引くらしいです。うらやましい。隣の芝は青いってやつかも知れませんが)

 何にせよ、ここで仲間をつくっておくっていうのは。いいんじゃないですかね。
 僕も、業界に飛びこむ前に、もしたった一人でも仲間がいたならばと、思わずにはいられません。それだけ、業界で一人という重圧は大きいです。
 心が寒いと作るものも寒くなります。
 孤独ならともかく、孤高でいるのって難しい。
 あんまり深く考えずに、とりあえず飛びこんでみる、っていうのも。たまには、悪くないと思いますよ。もっともそんなこと、他でもない、ゲーム業界を選んだあなたに、言うまでもないかも知れませんが。
 長く話しても白けるからこのへんで。続きは、……会えたらいいですね。
 影ながら、応援しています。お互い頑張りましょう。


▼【A社】グラフィッカー・小高氏より

 ゲーム業界に私が足を踏み入れてからよく考えるようになった事は、この業界は本当に好きじゃないと続けられないという事です。
 勤務形態に関していえば、一昔前よりはずっと良くなったと先輩方は口をそろえて言いますが、他の業界より過酷であることは間違いないので肉体的に弱い人には全く向かない職業だと断言できます。
 そして、肉体的な過酷さというものはほとんどの場合精神的ダメージにも繋がるから厄介です。
 過酷な業務の割に給料が安く残業続きとなれば、「どうして自分はこんな辛い業界に入ってしまったのだろう」と嘆き悩む時期が必ずやってくる事でしょう。実際そういう理由で一年ももたずにこの業界を去って行くクリエイターは沢山いるそうです。
 そうならないためにはどうすればいいのか、といえば面白いゲームを創りたいという情熱を忘れずにひたすら耐えるしか方法はない、と私は考えます。
 この業界を目指すと決めた時点である程度覚悟はできているはずだと思いますが、自分のやりたい仕事をやらせてもらえるのだから苦労するのは当たり前だと思って日々自分の「ゲームを創りたい」という情熱を忘れずに精進して下さい。私も日々努力を続けて行きます。
 お互いに面白いゲームを世に送り出せるよう頑張りましょう。


▼【スクエニ】プランナー 山本氏より

 このサイトを見ている、ゲームプランナー志望の方々へ。応援文という形でこの文章を書かせていただきます。……が、私はそんなに偉そうなことを言える立場の人間でもありません。なぜなら、大した対策も研究もせずにこの業界を目指してしまったから。
 そんな私ですが、プランナーを志す方に、ごくごく個人的にアドバイスできることがあるとすれば……個人制作のススメ、です。私自身、業界に入る前は一人でゲーム制作をしていました。これ、「プランナーってどんな仕事をするの?」という人から、「就職活動に向けて実力をつけたい!」という人にまでオススメです。個人制作には、プランナーが担当する(し得る)あらゆる仕事が凝縮されて詰まっているから。それだけ作業量が多く大変だということも確かですが、自分の適性ややりたいことを見極め、さらにその能力を伸ばすうえで非常に効果的なのもまた事実。さらに言えば、実際の就職活動でも役立ちます。履歴書・筆記試験に書けること、そして面接・GDで語れることが格段に増えます。最初に申し上げたとおり、大した準備もろくにしていなかった私ですが、何とか会社にもぐりこむことはできましたから。
 ……とは言え、このアドバイスはあくまで一つの例。この業界に入るには、様々な方法があると思います。どんな形であれ、あなたなりの経験、戦略、個性……換言すれば、あなたなりの"武器"さえ身につければ、ゲーム業界に入るのは難しいことではありません。私の場合は、個人制作の経験がその武器だったわけです。このことは、研究や対策を疎かにしていた私でも、自信を持って言えますね。
 その点、こうして『ゲーム業界攻略法』に興味をお持ちのあなたは、私よりも研究熱心で志の高い方だとお見受けします。ぜひ一緒に仕事がしてみたいです。磨きこまれた"武器"をお持ちのあなたに、いつの日かこの戦場でお会いできることを、楽しみにしています。


▼【スクエニ】プランナー 板橋氏より

 「ゲーム製作の経験なんてない。知識すらない。プログラミングなんてもってのほか。 アルファ版? プラットフォーム? UI? セクション? なににそれおいしいの?  履歴書に修正テープ貼っても大丈夫だよね? ラップで包んどけば濡れないよ」

 業界の基礎知識、就職活動における一般常識。
 同じ試験を受けるライバルが全員備えていたであろう武器を何一つもっていない手ぶらの状態で、私はゲーム業界の門を潜り抜けました。
 当時は「何も出来ない奴がどうして採用されたんだ」と罵声を浴びて凹みもしましたが、 今では胸を張って、採用されなかった彼らに言い返すことが出来ます。

 「みんなほんとうは何も出来ないのに、知ったかぶりをしていたからだよ」と。

 自分に自信を持つことは 決して悪いことではありません。大事なことです。
 けれど、自分の未熟な部分に気付かない限り、自分を磨くことはできません。
Mサイズの洋服が着られなくなっても、相撲中継の力士に比べれば痩せていると、 テレビを見ながらスナック菓子をもりもり頬張る人を「向上心のある人」だとは思えないように、 短い人生経験の中で都合よく偏った知識を自信満々にひけらかす人を、企業は求めません。

 「こんなにできるのに」ではなく「もっとできるようになる」と思ってください。
 「自分を理解してくれない」ではなく「どんな馬鹿にも認めさせるようなタマになる」と思ってください。
 謙虚かつ壮大な熱意と野望を持ってください。
 その熱意に正しい知識を組み合わせれば、鬼に金棒です。
 ほかにまともなのがいないから残しておいた熱意だけのからっぽな奴なんか早々に放り投げ、企業は両手を広げてあなたを求めるはずです。

 “正しい知識“を凝縮したテキストは、熱意を持って読み解けば最高の教科書になります。
 逆に言えば、熱意を持たずに読んでも何ら意味のないものかもしれません。
 貴方と切磋琢磨できる日を楽しみにしています。